CHAPTER 1
______
100%コナコーヒーが「世界最高のコーヒー」と呼ばれる理由は、それが育つ特別な栽培環境にあります。ハワイ島の西側、フアラライ山とマウナロア山の斜面に広がる「コナベルト」と呼ばれる限られたエリア。
ここは、まるで神様がコーヒーのために用意したかのような、奇跡的な条件が揃った土地なのです。
まず、土地が特別です。マウナロア山の噴火がもたらしたミネラル豊富な火山性の溶岩台地は、驚くほど水はけが良いのが特徴です。コナは雨が多い地域ですが、この溶岩台地のおかげでコーヒーの木は根腐れすることなく、必要な水分だけを吸収してすくすくと育ちます。
気候もまたユニークです。午前中はたっぷりの太陽の光を浴び、午後になると海から昇る湿った空気が雲のカーテンを作り、強い日差しから優しく木々を守ります。この絶妙なサイクルが、コーヒーチェリーを焦らずゆっくりと熟させ、複雑で豊かな風味を中に閉じ込めていくのです。
そして、他の産地にはないコナだけの特別な要素が「海」の存在です。コーヒーは果物であり、その甘みにはミネラルが欠かせません。潮風が運ぶ微量なナトリウムが、まるで美味しいみかん畑のように、コーヒーチェリーの甘みをより一層引き立てるのです。
この奇跡的な環境こそが、100%コナコーヒーならではの味わいを生み出します。驚くほど滑らかな口当たり、角の取れた優しい酸味、そして砂糖を入れなくても感じるほどの自然なコクと甘み。パイナップルやマンゴーのようなトロピカルな香りを感じさせることもあり、後味はどこまでもクリーンです。
この土地のポテンシャルはコーヒーだけに留まりません。ハワイ大学の研究によれば、コナで育ったアボカドは世界一の脂質含有量を誇り、マンゴーは世界一の糖度を記録するなど、あらゆる植物にとって最高の環境であることが科学的にも証明されているのです。
CHAPTER 2
______
100%コナコーヒーの価値は、その味だけでなく、極めて手に入りにくい希少性にもあります。
世界で生産される全てのコーヒーのうち、コナコーヒーが占める割合は、なんと1%にも満たないのです。
この事実だけでも、いかに特別な存在であるかがお分かりいただけるでしょう。
その格式を物語るのが、アメリカのホワイトハウスで開かれる公式晩餐会で、必ず100%コナコーヒーが提供されるという事実です。
これは、100%コナコーヒーが国を代表する最高品質の「おもてなし」として認められている証拠。
これ以上に信頼できる品質保証はありません。
この高い価値を守るため、ハワイ州は世界で最も厳しいと言われる品質管理ルールを設けています。
市場には安価な豆を混ぜた「コナ・ブレンド」も出回っていますが、法律で定められたコナ豆の含有率はわずか10%。つまり、残りの90%は別の豆かもしれないのです。
だからこそ、「100%コナコーヒー」という表示は、混ぜ物なしの純粋な本物であるという、非常に重要な意味を持つのです。
CHAPTER 3
______
コナコーヒーは有名で高価なため、残念ながら偽物や混ぜ物が後を絶ちません。
そんな市場から本物のコナコーヒーを守るために活動しているのが、「コナ・コーヒー協議会」という組織です。
農家や専門家たちが集まり、100%コナコーヒーの価値を守るために活動する非営利団体。この協議会が発行する最も信頼できる証が、「承認シール」です。