第1部:そもそも「コナコーヒー」の何がすごいのか?


1.1 奇跡の土地「コナベルト」

100%コナコーヒーが「世界最高のコーヒー」と呼ばれる理由は、それが育つ特別な栽培環境にあります。ハワイ島の西側、フアラライ山とマウナロア山の斜面に広がる「コナベルト」と呼ばれる限られたエリア。

 

ここは、まるで神様がコーヒーのために用意したかのような、奇跡的な条件が揃った土地なのです。

マウナロア山  活火山  標高 4,169m   体積  約75,000 km3  地球で最も体積の大きい山  アメリカ合衆国  ハワイ州 ハワイ島   

5つの奇跡的な条件



まず、土地が特別です。マウナロア山の噴火がもたらしたミネラル豊富な火山性土壌は、驚くほど水はけが良いのが特徴です。コナは雨が多い地域ですが、この火山性土壌のおかげでコーヒーの木は根腐れすることなく、必要な水分だけを吸収してすくすくと育ちます。

気候もまたユニークです。年間を通じて気温が20~27℃、午前中はたっぷりの太陽の光を浴び、午後になると海から昇る湿った空気がマウナロア山で雲のカーテンを作り、強い日差しから優しく木々を守ります。この絶妙なサイクルが、コーヒーチェリーを焦らずゆっくりと熟させ、複雑で豊かな風味を中に閉じ込めていくのです。

 

そして、他の産地にはないコナだけの特別な要素が「太平洋 」の存在です。コーヒーは果物であり、その甘みにはミネラルが欠かせません。潮風が運ぶ微量なナトリウムが、まるで美味しいみかん畑のように、コーヒーチェリーの甘みをより一層引き立てるのです。海に近い土壌はミネラルを豊富に含んでおり、栄養価の高いコーヒーを育むのに役立ちます。




コーヒー生産に適した土壌や気候であり、栽培コーヒーは上質のアラビカ種コナティピカ、コナゲイシャ、レッドブルボン、SL28など様々な品種があり、世界のコーヒー生産量の0.1%であり希少性が高く、ブラジルのような機械収穫でなく完全に熟した実だけを手摘みで一粒一粒収穫しています。

 

また、コナエリアは、山の斜面だけではなく、島のいたるところにもコーヒー農園があり、コーヒー農園の中に町がある風景が見られます。コーヒーは、1月の初旬頃に15mm位の可憐な白い花を咲かせ、一帯がとても爽やかで良い香りに包まれます。


この環境だけが生み出せる、唯一無二の味わい


この奇跡的な環境こそが、100%コナコーヒーならではの味わいを生み出します。驚くほど滑らかな口当たり、角の取れた優しい酸味、そして砂糖を入れなくても感じるほどの自然なコクと甘み。ハチミツやマンゴーのようなトロピカルな香りを感じさせることもあり、後味はどこまでもクリーンです。コナティピカは柔らかい酸味が特徴です。

コーヒー精製 水洗い式

比重選別、果肉除去、発酵、粘質除去(水洗い)、脱穀、乾燥( 天日干し10日~14日+乾燥機 )




科学が証明する、土地のポテンシャル

この土地のポテンシャルはコーヒーだけに留まりません。ハワイ大学の研究によれば、コナで育ったアボカドは世界一の脂質含有量を誇り、マンゴーは世界一の糖度を記録するなど、あらゆる植物にとって最高の環境であることが科学的にも証明されているのです。


1.2希少性と、本物であることの価値

100%コナコーヒーの価値は、その味だけでなく、極めて手に入りにくい希少性にもあります。

 

世界で生産される全てのコーヒーのうち、コナコーヒーが占める割合は、なんと1%にも満たないのです。

 

この事実だけでも、いかに特別な存在であるかがお分かりいただけるでしょう。

100%コナ生豆は、ハワイ州農務省が定めた基準を満たすことを証明する原産地証明と品質証明が必要になります。

原産地証明は、生豆がコナ地区で収穫と精製されたことを示すもの。品質証明は、コナ生豆の品質規格を満たすことを示します。

※100%KONA COFFEE 原産地証明、KONA EXTRA FANCY 品質証明


ホワイトハウス御用達という、絶対的な権威

その格式を物語るのが、アメリカのホワイトハウスで開かれる公式晩餐会で、100%コナコーヒーが提供されるという事実です。

 

これは、100%コナコーヒーが国を代表する最高品質の「おもてなし」として認められている証拠。

 

これ以上に信頼できる品質保証はありません。


知っておくべき「コナ・ブレンド」の真実

この高い価値を守るため、ハワイ州は世界で最も厳しいと言われる品質管理ルールを設けています。

 

市場には安価な豆を混ぜた「コナ・ブレンド」も出回っていますが、法律で定められたコナ豆の含有率はわずか10%

つまり、残りの90%は別の豆かもしれないのです。

だからこそ、「100%コナコーヒー」という表示は、混ぜ物なしの純粋な本物であるという、非常に重要な意味を持つのです。


1.3偽物を見分ける「お守り」

コナコーヒーは有名で高価なため、残念ながら偽物や混ぜ物が後を絶ちません。

 

そんな市場から本物のコナコーヒーを守るために活動しているのが、「コナ・コーヒー協議会」という組織です。

 

農家や専門家たちが集まり、100%コナコーヒーの価値を守るために活動する非営利団体。この協議会が発行する最も信頼できる証が、「承認シール」です。


究極の品質保証書、「承認シール」

厳しい審査をクリアした、信頼できるメンバーだけが使用を許可されるこのシールは、消費者にとって「このコーヒーは正真正銘、100%本物のコナコーヒーです」という究極の保証書。農園の場所から豆の品質まで、全てが基準を満たしていることを示しています。

 

市場にはこのシールのないコナコーヒーもたくさんありますが、それは第三者による品質保証がないということ。本当に価値のある一杯を求めるなら、この「承認シール」こそが、安心して本物を選ぶための最も確かな目印になるのです。


1.4 世界が認める、最先端の品質管理

コーヒーの品質は、豆の品種や土地だけで決まるわけではありません。収穫した後の「精製」と呼ばれるプロセスが、最終的な味を大きく左右します。

 

ハワイは先進国として、この精製技術や品種改良に莫大な投資を行っており、そのレベルは世界の最先端を走っています。


世界が認める、その実力

その実力は、国際的なコンテストの結果にも表れています。

 

アメリカ本土やドバイで開かれたカッピングコンテストでは、世界で最も高価なコーヒーの一つであるパナマのゲイシャ種を抑え、コナ産のゲイシャ種がより高い評価を獲得しました。

 

これは、同じ品種であっても、コナの土地と技術がそれを上回るポテンシャルを引き出すことの証明です。


今や、コナは世界のコーヒー研究を
リードする拠点へ

もはや、「コーヒーを学ぶなら中南米」という時代は終わりつつあります。

 

現在では、中南米のコーヒー農園主たちが、DNAレベルでの品種改良など、最先端の技術を学ぶためにハワイのコナを訪れるようになっているのです。

 

コナは、世界のコーヒー業界をリードする研究開発の拠点でもあるのです。


第 II 部:リルジーンファームのこだわり

なぜ、ここのコーヒーは「別格」なのか?


2.1 三十年の探求
コーヒーを知り尽くした職人、濱田浩司

リルジーンファームの品質を語る上で、濱田浩司氏の存在は欠かせません。彼は単なる経営者ではなく、三十年以上もの歳月をコーヒーに捧げ、その全てを知り尽くした本物の職人です。彼の知識は本から得たものではなく、土に触れ、豆と向き合い、自らの体で覚えてきたものです。

 

その道は、1990年代に大阪でまだ珍しかったカフェを立ち上げたことから始まりました。その後ハワイに渡り、栽培を一から学びますが、当初は失敗の連続。言葉や文化の壁を乗り越え、彼は確固たる信頼を勝ち取っていったのです。

 

大阪とハワイを60回以上も往復したというエピソードは、彼のコーヒーへの情熱が本物であることの証です。


2.2「最高の豆だけを」:
独自の農園ネットワークの強み

リルジーンファームは、一つの農園ではなく、コナコーヒー農園のネットワークがあります。これは単に規模が大きいというだけでなく、品質を保つための賢い戦略でもあります。

 

コーヒーは農作物なので、ワインと同じように、どうしても「良い年」と「悪い年」があります。

 

しかし、リルジーンファームは農園チームを持っているため、毎年その中から「今年一番出来が良い畑」の最高品質の豆だけを選び抜くことができるのです。これにより、天候などに左右されず、常に安定して最高の品質を提供し続けることが可能になります。

 

これは、リルジーンファームがビジネスパートナーにとって「いつでも最高の豆が手に入る」という、この上ない安心感に繋がっています。


第 III 部:おいしさの秘密

畑から焙煎まで、その一杯はいかにして生み出されるのか?


3.1 盆栽を育てるように:土と木の丁寧な手入れ

リルジーンファームの農業は、コナの特別な火山灰土壌を深く理解することから始まります。私たちの哲学は「健康な根が、健康な木を作る」というシンプルなもの。水はけが良いので湿気で根が腐らない絶妙なバランスを保ちます。また、有機肥料を使いながら、コーヒーの木に行くはずの栄養を雑草に奪われないよう、除草も徹底しています。

 

特に熟練の技が必要なのが、枝を切って木の形を整える「剪定」です。濱田氏はこの作業を「盆栽のよう」と表現します。どの枝を残し、どの枝を切るか。その判断は、長年の経験がなければできません。この丁寧な剪定によって、すべてのコーヒーチェリーがムラなく、甘く熟していくのです。


3.2 最高の瞬間を逃さない「手摘み」の哲学

リルジーンファームでは、収穫は全て人の手で行われます。熟練のピッカーたちが、宝石のように真っ赤に熟したコーヒーチェリーだけを手で触りながら一粒一粒、丁寧に見極めて摘み取ります。濱田氏は、手摘みにこだわるのは、豆を傷つけないため以上に、同じような真っ赤なチェリーも個々で完熟度合が違い、指で触ってみないと判別がつかないです。まだ数日経過後、もっと大きく完熟も増す実を収穫するのは「もったいないから」という極めて合理的な理由があると言います。

 

なぜ完熟した実を摘み取るのか? 赤色に変化した実の中には、粘液質ミューシレージを含む水分があります。まだ完熟していない実には粘液質ミューシレージがなくコーヒー種子のみの状態です。


3.3 コナのためだけ。50年磨き続けた焙煎の技

 

リルジーンファームのコーヒーが他と一線を画す最大の理由の一つが、独自の焙煎技術です。創業から約50年間、ひたすらコナコーヒー豆だけを専門に研究し、そのポテンシャルを120%引き出す、まさに職人技を磨き続けてきました。



3.4コーヒーは果物。だから、ブラックで。

リルジーンファームの哲学の根っこには、「コーヒーは果物である」というシンプルな考え方があります。コーヒーチェリーという果実が持つ、本来の甘さと豊かな風味をそのままカップに届けること。それが私たちの使命です。

 

だからこそ、私たちは砂糖やミルクを入れず、まずはブラックでそのものの味を楽しんでほしいと願っています。それはまるで、高級なワインやウイスキーを味わうのと同じ。まずはストレートで、その素材が持つ甘味・風味をじっくりと味わってほしいのです。